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ABOUT US

『スポーツを通じて世界を広げる』

 子供たちが運動能力・技術力だけではなく、一人の選手として、人として成長できる。多様な世界に触れ、自分が持つ大きな可能性に気づくことができる。子供たちが人種・文化・バックグラウンドと関係なくスポーツを楽しみ、それぞれが個々の特別な価値を認識できる。そんな機会を東京に作りたいと思い、この活動を始めることにしました。今年度も初年度に引き続き、アメリカから元NHL選手と現役NHLスカウトをインストラクターとして招いた小中学生向けのアイスホッケーキャンプを開催いたします。スポーツを通して、子供たちが一人一人がユニークで特別であること、自分の選ぶ道に限界はないということを実感できるような機会を作ることを目的としています。以下、この活動にかける自分の想いを綴らせていただきました。

Sports for Everyone.

国籍も文化もバックグラウンドも言語も超えて誰もがスポーツを楽しめる場所を作る。

 私自身、5歳からアイスホッケーを始め、高校卒業まで日本で活動していました。大学からアメリカに渡りハーバード大学に在学し、大学のチームで4年間プレー、卒業後はヨーロッパでプロ選手として活動し始め、現在は北米のプロリーグに挑戦中です。そんな世界のさまざまな場所でアイスホッケーをプレーしてきて感じていることはたくさんありますが、その中の一つが、アイスホッケーを通して世界の色々な場所にいき、いいことも悪いことも様々な経験をすることで、人として大きく成長するチャンスを与えられてきたということです。日本にいる間は出会うこともなかった、多様な文化やバックグラウンドを持つ人たちと繋がり、人種や出身地や言語や文化を超えてたくさんの人に助けられてきました。今まで経験したことのない世界に足を踏み入れるのは、時に怖くて緊張することです。ですが、未知の世界に踏み入れてこそできる特別な経験や感情、そこから生まれる考え方や価値観の変化や成長があります。私が実際に高校3年生までそうだったように、普段、日本にいるとなかなか他の世界、文化や言語に触れ合う機会はありません。子供のうちからスポーツという扉を通して世界を覗けるような機会を作りたいと思ったのがこの活動を始めようと思ったきっかけの一つです。

 同時に、日本にいても海外にいても、アイスホッケーを通して見える社会の課題や環境の課題にも多く気づきました。それは、子供たち誰もが、自分の出身地や人種やバックグラウンドや現時点のレベルに関係なく、アイスホッケーを楽しみ上達できる環境は少ないということです。私が生まれ育った東京ではアイスホッケーはまだマイナースポーツであり、誰ものためのスポーツとは言い難い状況でした。上達したい、楽しいと思う一方で、リソースやお金、環境が揃っていないと子供たちが続けられなかったり、上手な選手のみにフォーカスがいってしまうようなケースも少なくなく、中々誰もがアイスホッケーを楽しみながら上達する場が見つけにくかったりする、という課題感を常に感じていました。また、海外の様々な場所に行くと、マイノリティであるがゆえに、受ける視線が違うことや、実力以外の要素でそれぞれが与えられる機会に違いが出ることも初めて目の当たりにし、時には実感し、それがアイスホッケーが盛んである北米でも未だに大きな課題であることを知りました。

 前例がないから「できない」と決め付けられていることがまだこの社会には多くあります。ですが、誰か一人、たった一人でも「できる」と心から信じてくれている人がいることで、自分の中での「できない」は「できる」に変わります。私は今までそんな人たちに救われてきました。今の私があるのは、一つ一つのターニングポイントで周りの人が心から信じてくれているからです。たとえ何十人もに「できない」と思われても、心から強く「できる」と言ってくれる信じて支えてくれる人がいる限り、そこに道は開けていきます。誰もが純粋にスポーツを楽しみ、スポーツを通じて他の人と関わり、お互いを認め合えるような場所で、子供たちが、その楽しさを元に自分は「できる」と感じてほしい。子供たちがいつか逆境に立つことがあったとしても、それを乗り越えられる強さを持っていると知っていてほしい。そしていつか、逆境に立つ人を支えられるような、信じられるような心を持ってほしい。そんな原点になるような場所・コミュニティを作りたいという思いがあります。もちろんそれだけでは解決しないことがたくさんあります。でも、一人の思いの力で変わることもあると信じて、いくら小さくても、まずは行動を起こしたいと、この活動を始めることにしました。

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最後に

 私は、たくさんの方に助けられ、励まされ、支えられて今の道を歩んでいます。たくさん与えられてきた分、たくさんの想いを注いでもらっている分、それを何倍にもしてお返ししていきたいといつも思っていました。大学卒業後の進路としては中々ユニークな選択かもしれませんが、自分のアスリートとしての挑戦を続けながらも、少しずつ自分の返したいものを形にし還元できるかもしれない大きなチャンスだと思います。まだまだ未熟ですが、どうかこのBeyond Edge が歩む軌跡を見守っていただければと思います。

​佐野月咲  

ABOUT ME. 

My name is Lunasa Sano

佐野月咲

東京都出身1998年生まれ。5歳からアイスホッケーを始める。2015年U18日本代表。2014年から2017年まで西武プリンセスラビッツに所属。2017年に筑波大学附属高等学校を卒業した後、同年、アイスホッケーのために米ハーバード大学に入学。2022年春にハーバード大学を卒業し、同年からヨーロッパにてプロアイスホッケー選手としてのキャリアをスタート。2023-24シーズンはフィンランドにて活動。

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